規則90.3参照。
A1 レース数
予定されているレース数とシリーズが成立するために完了を必要とするレースの数を、帆走指示書に記載しなければならない。
A2 シリーズの得点
各艇のシリーズの得点は、最も悪い得点を除外したレースの得点の合計としなければならない。
(帆走指示書に規定することにより別のことを取り決めることができる。例えば、得点を除外しないこと、2つ以上の得点を除外すること、または明記した数のレースが完了した場合には、明記した数の得点を除外すること。レースは、得点が記録されれば成立する、規則90.3(a)参照。)艇に同じ最も悪い得点が2つ以上ある場合には、シリーズで最も早く帆走したレースの得点を除外しなければならない。シリーズで最少得点の艇を勝ちとし、他艇はそれに応じて順位をつけなければならない。
A3 スタート時刻とフィニッシュ順位
艇のスタート信号の時刻を、その艇のスタート時刻とし、艇がレースでフィニッシュした順にフィニッシュ順位を決定しなければならない。ただし、ハンデイキャップ方式またはレーティング方式を用いる場合、その艇の修正時間で艇のフィニッシュの順位を決定しなければならない。
A4 低得点方式とボーナス得点方式
ほとんどのシリーズでは、『低得点方式』か『ボーナス得点方式』のいずれかを用いて得点を記録している。『低得点方式』では、艇のフィニッシュの順位をその艇の得点として用いる。『ボーナス得点方式』では、第6位までにフィニッシュした艇を有利にしている。例えば、第14位から第13位になるよりも、第4位から第3位になる方が難しいという理由による。帆走指示書にて他の方式の適用が記載されない場合、『低得点方式』を適用する。規則90.3(a)参照。『ボーナス得点方式』を選択する場合には、帆走指示書に「付則Aの『ボーナス得点方式』を適用する」と記載することにより適用できる。
A4.1 スタートして、フィニッシュし、かつ、その後リタイアもせず、ペナルティーを課せられず、救済を与えられなかった艇には、それぞれ次のとおりの得点を記録しなければならない。
フィニッシュの順位 低得点方式 ボーナス得点方式
フィニッシュの順位 |
低得点方式 |
ボーナス得点方式 |
第1位 |
1 |
0 |
第2位 |
2 |
3 |
第3位 |
3 |
5.7 |
第4位 |
4 |
8 |
第5位 |
5 |
10 |
第6位 |
6 |
11.7 |
第7位 |
7 |
13 |
以降のそれぞれの順位 |
1ずつを加える |
1ずつを加える |
A4.2 スタートしなかった艇、フィニッシュしなかった艇、フィニッシュ後リタイアした艇、または失格とされた艇には、シリーズに参加した艇の数に1を加えたフィニッシュ順位の得点を記録しなければならない。規則30.2に基づきペナルティーを課せられる艇、または規則44.3(a)に基づくペナルティーを履行した艇には、規則44.3(c)に規定された得点を記録しなければならない。
A5 レース委員会により決定される得点
スタートしなかった艇、規則30.2または規則30.3に従わなかった艇、フィニッシュしなかった艇、規則44.3(a)に基づきペナルティーを履行した艇、またはフィニッシュ後リタイアした艇には、レース委員会は、審問なしに、それに応じた得点を記録しなければならない。プロテスト委員会のみが、艇の得点を悪くする他の得点処置をとることができる。
A6 他艇の順位と得点の変更
A6.1 艇がレースで失格とされた場合、またはフィニッシュ後リタイアした場合には、その艇の後にフィニッシュしたそれぞれの艇の順位を1繰り上げなければならない。
A6.2 プロテスト委員会が、艇の得点を調整することにより救済を与えると決定した場合には、他艇の得点は、プロテスト委員会が別のことを決定した場合を除き、変更してはならない。
A7 レースでのタイ
複数の艇が同時にフィニッシュした場合、またはハンディキャップ方式もしくはレーティング方式を用いて複数の艇の修正時間が同じとなった場合には、複数の艇がタイとなった順位の得点とすぐ下の順位(複数もある)の得点を加え、艇数で割らなければならない。賞でタイとなった艇には、その賞を分けるか、または同じ賞を与えなければならない。
A8 シリーズでのタイ
A8.1 2艇以上の間でシリーズ得点でタイがある場合には、それぞれの艇のレースの得点は、最もよいものから最も悪いものの順に並べて、最初に違いのある点で、最も良い得点の艇を上位としてタイを解かなければならない。除外した得点を用いてはならない
A8.2 2艇以上の間でそれでもタイが残っている場合には、タイとなった艇の最後のレースの得点で順位を付けなければならない。それでもタイが残っている場合には、最後の前のレースでタイとなった艇の得点を用いて解かなければならず、タイが解けるまで同様に行わなければならない。除外された得点があったとしても、これらの得点を用いなければならない。
A9 レガッタより長いシリーズでのレース得点
レガッタよりも長期間にわたって開催されるシリーズでは、スタート・エリアには来たが、スタートしなかった艇、フィニッシュしなかった艇、フィニッシュ後にリタイアした艇、または失格とされた艇には、スタート・エリアに来た艇の数に1を加えたフィニッシュの順位の得点を記録しなければならない。スタート・エリアに来なかった艇には、シリーズに参加した艇の数に1を加えたフィニッシュの順位の得点を記録しなければならない。
A10 救済についてのガイダンス
プロテスト委員会は、レースでの艇の得点を調整することにより救済を与えると決定した場合には、その艇に次のいずれかの得点を記録することを考慮することを勧める。
(a)問題のレースを除き、その艇のシリーズでの全レースの平均に等しい小数点以下第1位までの得点(小数点以下第2位は四捨五入する)
(b)問題のレースより前の全レースの平均に等しい小数点以下第1位までの得点(小数点以下第2位は四捨五入する)。または
(c)救済が正当とされたインシデントの時点におけるそのレースでのその艇の順位に基づく得点。
A11 得点記録の略語
これらの得点記録の略語を、次に示す状況を記録するために用いなければならない。
DNC スタートしなかった。スタート・エリアに来なかった。
DNS スタートしなかった(DNCとOCS以外)。
OCS スタートしなかった。スタート信号のときにスタート・ラインのコース・サイドにいてスタート
しなかったか、または規則30.1に違反した。
ZFP 規則30.2に基づく20%ペナルティー。
BFD 規則30.3に基づく失格。
SCP 規則44.3(a)に基づき、得点のペナルティーを履行した。
DNF フィニッシュしなかった。
RAF フィニッシュ後にリタイアした。
DSQ 失格。
DNE 規則90.3(b)に基づく除外できない失格(DGM以外)。
DGM 規則90.3(b)に基づく除外できない重大な不正行為による失格。
RDG 救済が与えられた。