61 抗議の要件

61.1 被抗議者に伝えること

(a) 抗議しようとする艇は、最初の妥当な機会に相手艇に常に伝えなければならない。

その抗議がレース・エリアで関与したか、または目撃したインシデントに関わる場合、その艇はそれぞれについて最初の妥当な機会に「プロテスト(抗議)」と声を掛け、目立つように赤色旗を掲揚しなければならない。その艇は、レース中でなくなるまで、赤色旗を掲揚しておかなければならない。ただし、

(1) 相手艇が声を掛けられる距離以上に離れている場合には、抗議する艇は声を掛ける必要はないが、最初の妥当な機会に相手艇に伝えなければならない。

(2) 艇体の長さが6メートル未満の艇は、赤色旗を掲揚する必要はない。

(3) 損傷または傷害を伴うインシデントにおいて、艇の関与が明白で、かついずれかの艇が抗議しようとする場合には、この規則の要件は適用しないが、規則61.3の締切時間内に、相手艇に抗議を伝える努力をしなければならない。

(b) 抗議しようとするレース委員会またはプロテスト委員会は、常識的にできるだけ早くその艇に伝えなければならない。ただし、抗議がレース・エリアで目撃したインシデントから起こっている場合には、レース委員会またはプロテスト委員会は、レース後規則61.3の抗議締切時間内にその艇に伝えなければならない。

(c) プロテスト委員会が、規則60.3(a)(2)に基づき、艇を抗議すると決定した場合には、その意図を常識的にできるだけ早くその艇に伝え、その審問を閉会し、規則61.2、規則63に従い手続きを行い、元の抗議と新たな抗議に関する審問を一緒に進めなければならない。

61.2 抗議内容

抗議は書面で、次のことを特定しなければならない。

(a) 抗議者と被抗議者。

(b) インシデント。発生した場所と時刻を含む。

(c) 抗議者が違反したと考える規則。

(d) 抗議者の代表者の氏名。

ただし、(b) の要件が満たされている場合には、(a) の要件は、審問前ならばいつでも訂正し、満たすことができる。また(c) と(d) の要件は審問前または審問中でも訂正し、満たすことができる。

61.3 抗議締切時刻

艇による抗議、またはレース・エリアで目撃したインシデントに関するレース委員会もしくはプロテスト委員会による抗議は、帆走指示書に記載された抗議締切時刻以内に、レース・オフィスに提出しなければならない。帆走指示書に記載がない場合には、抗議締切時刻は、そのレースでの最終艇のフィニッシュ2時間後とする。レース委員会またはプロテスト委員会によるその他の抗議は、その委員会が当該の情報を受けた後2時間以内に、レース・オフィスに提出しなければならない。プロテスト委員会は、正当な理由がある場合には、その時刻を延長しなければならない。