44 インシデント時のペナルティー

44.1 ペナルティーの履行

レース中に、第2章の規則に違反したかもしれない艇は2回転ペナルティーを履行することができ、規則31に違反したかもしれない艇は1回転ペナルティーを履行することができる。帆走指示書は、得点ペナルティーまたはその他のペナルティーの適用を規定することができる。ただし、

(a) 艇が同一のインシデントで第2章の規則と規則31に違反した場合、規則31違反によるペナルティーを履行する必要はない。

(b) その艇が傷害または重大な損傷を起こしたり、違反により、そのレースあるいはシリーズにおいて著しく有利となった場合には、その艇のペナルティーはリタイアすることでなければならない。

44.2 1回転と2回転ペナルティー

艇は、インシデントの後できるだけ早く他艇から十分離れた後、1回のタックと1回のジャイブを含む回転を、同一方向に必要数だけ速やかに行うことにより、1回転または2回転ペナルティーを履行したこととする。

艇はフィニッシュ・ラインまたはその近くでペナルティーを履行する場合フィニッシュする前にフィニッシュ・ラインのコース・サイドまで完全に帆走しなければならない。

44.3 得点ペナルティー

(a) 艇は、インシデントの後、最初の妥当な機会に黄色旗を掲揚することにより、得点ペナルティーを履行することができる。

(b) 艇が得点ペナルティーを履行する場合、黄色旗をフィニッシュするまで掲揚し続け、フィニッシュ・ラインでその旗についてレース委員会の注意を喚起しなければならない。その時に、その艇はインシデントに関与していた相手艇をレース委員会に報告しなければならない。これができない場合には、艇は抗議の締切時間内の最初の妥当な機会にレース委員会に報告しなければならない。

(c) 得点ペナルティーを履行した艇のレースの得点は、帆走指示書に記載された順位の数だけ、ペナルティーを受けない場合の順位より悪い順位の得点としなければならない。ただし、その艇は『フィニッシュしなかった』艇より悪い得点が与えられることはない。帆走指示書に順位の数が記載されていない場合、その数は参加艇数の20%の整数(小数点以下第1位を四捨五入)とする。他艇の得点を変更してはならない。従って、2艇が同一の得点となることがある。